粒餡
オリエンタルショップで市販の小豆餡が手に入りますが、自分で作れば好みの甘さの餡にすることができます。私の実家では年末に餅やおせちと共に小豆餡を手作りするのが恒例で、餡作りを教えてくれた母に感謝しています。
粒餡には皮が柔らかく香りが豊かな日本産の大納言小豆が最適ですが、シャンバナ市内で手に入れることはなかなか難しいようです。ここでは、アメリカ産の小豆を使うこと前提に、ベーキングパウダーで皮を柔らかくする方法を採り入れてみました。
ちなみに、漉し餡には大納言小豆より小豆の方が適しています。漉し餡は、このレシピと白漉し餡のレシピを組み合わせて作ることができます。(調理時間:約2〜3時間。豆を水に浸す時間を除きます)
材料(約1kg分)
小豆 | 1パウンド(約 450 g) |
ベーキングパウダーまたは重曹 | 小さじ 1 |
シロップ (砂糖+水) | 砂糖 350 g 〜 450 g + 水 100 mL |
塩(無しでもOK) | 小さじ 1/2 |
手順
- 大きな鍋に小豆とたっぷりの水を入れ、ベーキングパウダーを溶かして、包装袋に書いてある指定時間に従って浸しておきます(大体8時間ぐらい)。
- 鍋を強火にかけて沸騰させた後、中火〜弱火にしてゆっくりコトコトと煮ます。豆が膨らんでくるので時々状態を確認しながら、苦味の元になるアクを取り除いていきます。
- 豆が腹割れせずに充分柔らかくなったら、ざるにあけて煮汁を捨て、直ぐに豆をざるごと水に浸します。5分間ぐらい浸けておきます。(渋切り)
- 鍋に戻して豆がひたひたに浸かるぐらいまで水を入れて、落とし蓋をして中火〜弱火でゆっくりと煮ます。途中少しずつ差し水をして、常に豆がちょうど煮汁に浸かっているようにして下さい。
- 豆がへらで抵抗無くつぶれるほど充分に柔らかく煮上がったら、極弱火にして更に30分程蒸らし、皮を柔らかくさせます。
- ざるの上に布巾を敷いて、その上に豆をあけ、そのまま布巾の口を締めて豆をつぶさないように軽く搾ります。できたものが生餡です。
- シロップを作ります。丸底の大きな鍋に水100mlと砂糖を入れて強火にかけ、木べらで混ぜながら砂糖を完全に溶かします。
- 沸騰してきたら生餡を入れて練ります。かき混ぜすぎると風味が落ちるのでゆっくりと鍋の底だけ焦げ付かないように練ります。沸騰した餡がはねたり焦げたりしそうならば、中火に落として下さい。
- 木べらから粒餡がかろうじて落ちなくなるぐらいの固さになったら練り上がりです。火を止めて、バットの上に少しずつ落として冷まします。
メモ&アレンジ
- 小豆漉し餡を作る場合は、小豆を手順1から4まで調理した後、火を止めます。続いて、白漉し餡のレシピの手順7以降を Navy Bean の場合に従って調理して下さい。
- 新鮮な生小豆が手に入る場合は、豆の風味を生かすために手順1の水漬けを省略して下さい。
- うぐいす餡など、小豆以外の粒餡も同様に作ることができます。
- 手順3の渋切りの加減で、あっさりした餡から甘ったるい餡まで調整できるそうです(参考文献2)。
- 砂糖を変えてみると風味も変わります。 Dark Brown Suger を使うと濃厚な味の餡になりました。渋切り加減と組み合わせれば、色々な味の餡が楽しめることでしょう。
- 渋切りした後にはベーキングパウダーを加えないで下さい。
- 落とし蓋はアルミ箔で代用できます。私は小さな落とし蓋しか持っていないので、手順4の写真のようにアルミ箔と重ねて使っています。
参考文献
- 「おはぎ」つぶあんをつくる、NHK趣味悠々・和菓子まるごと大全集、講師:金塚晴子、NHK出版
- 「粒あん」、宇治駿河屋・和菓子の教室
http://www.surugaya.co.jp/school/index.html